シリーズ 日本語教育学の新潮流


日本語教育学における新しいトレンドをつくるシリーズ。若手研究者の博士論文を中心に刊行していく。


 

日本語教育学の新潮流

卒業論文と日本語教育: TBLL(Thesis Based Language Learning)の理念と実践

日本語教師が学習者の卒業論文作成支援に参加する意義とは何か? 世界の大学の「日本語・日本文化を専門とする学科やコース」(日本専攻)における卒論作成に日本語教師がどのように関わっているかを概観する。そして、筆者によるハンガリーの大学での実践を踏まえ、TBLL(Thesis Based Language Learning)という概念を提示、卒論作成支援における日本語教育の理論化を目指す。
日本語教育学の新潮流

おとなの学びを実現する日本語の教室: 台湾の民間成人教育機関における教師の成長プロセスと学習者の学習継続プロセス

本書は、台湾の民間の成人日本語教育機関の教室を調査・研究したものである。アンドラゴジー(成人教育学)の知見を踏まえた教師の成長と役割、教師のライフストーリーから明らかとなる教室観の形成・変容や教室デザインなど通して、「おとなの学び」を実現する教室のモデルを模索する。
日本語教育学の新潮流

「ビジネス日本語教育」から「キャリア日本語教育」へ: 「自分なりの日本語」の構成をめざす対話活動の実践

外国人大学生を対象とする「ビジネス日本語教育」という分野における教育実践の課題を明らかにしたうえで、日本語の学びとキャリア形成を結びつけることを志向する「キャリア日本語教育」の概念を提唱することで、その教育実践のあり方を再考する。
日本語教育学の新潮流

日本語のビジネス・コミュニケーションの研究: 接触場面の「依頼」と「断り」の交渉術

喬曉筠 著

本書は、日本語によるビジネス交渉場面において、どのように依頼と断りが行われているかを明らかにするものである。ビジネスの接触場面で特に誤解が生じやすいといわれる依頼と断りに焦点を当てた本書の知見は、今後のビジネス日本語教育への大きな貢献となるだろう。

日本語教育学の新潮流

現代日本語における句読点の研究: 研究概観と使用傾向の定量的分析

岩崎拓也 著

日本語の句読点研究を概観し、その全体像を把握したのちに、日本語母語話者と日本語学習者による句読点の使用実態を定量的に分析したものである。これまでの句読点の指導や研究に一石を投じる書。

日本語教育学の新潮流

現象学的日本語教育の可能性: アイルランドで複言語育児を実践する親たちの事例

稲垣みどり 著

アイルランドにおける複言語育児に焦点を当てたライフストーリー研究。質的研究に現象学の原理を導入し、新たな地平を拓こうと試みる意欲作である。

日本語教育学の新潮流

留学生のことばの学びとビリーフ変容: タイ人留学生の学習意欲に関する質的研究

滝井未来 著

質的研究(M-GTA)の手法を用いて、タイ人留学生のビリーフを探る一冊。留学生にとって「真に必要な日本語の力」とは何かを問う意欲作である。

日本語教育学の新潮流

教師の主体性と日本語教育

牛窪隆太 著

「教師の主体性」をテーマに掲げ、これまで日本語教師に求められてきた「教師としてのあり方」を「日本語教師性」の問題として提起する好著。

日本語教育学の新潮流

接触場面における中国人日本語学習者のコミュニケーション・ストラテジー:自然習得環境下での使用実態及び変容

許挺傑 著

中国人日本語学習者は日本語母語話者との接触場面においてどのようなコミュニケーション・ストラテジー(CS: 発話ストラテジーと聞き返しストラテジー)を使用するのか。滞日期間に伴うCS使用の変化や、日本語能力の高低とCS使用の関係に着目し、量的・質的の両側面から丁寧に分析。中国人日本語学習者のCS教育に資する一冊。

日本語教育学の新潮流

成人教育(adult education)としての日本語教育:在日パキスタン人コミュニティの言語使用・言語学習のリアリティから考える

福永由佳 著

在日外国人コミュニティにおいては、どのようにことばが使用され、学習されているのか。本書では、日本人家族を含む在日パキスタン人コミュニティに焦点を当て、その問いに量的・質的の両面からアプローチする。