シリーズ | 多文化・多言語主義の現在 5 |
書名 | ろう者から見た「多文化共生」 もうひとつの言語的マイノリティ |
編著者 | 佐々木倫子 編 |
定価 | 2,640円(税込) |
ISBN | 978-4-904595-24-4 |
発行日 | 2012年6月10日刊行 |
その他 | 四六判 上製 354頁 |
紹介文
ろう者とは誰か? そして、何が彼/彼女たちを不可視の存在としてきたのか? 本書は、「手話」を切り口に、言語的・文化的マイノリティとしてのろう者の存在と、その課題を明らかにする。言語的少数者としての自らの存在を高らかに謳った「ろう文化宣言」(一九九五年)は、多くのマジョリティの日本人に衝撃を与えた。しかし、十数年を経た今日、手話は不完全な言語であり、ろう者は矯正あるいは治療の対象であるという言説は、いまだ主流をなしている。ろう者(Deaf)とその家族、コーダ(CODA)など当事者による証言は、そうした言説の下における苦難の道程を浮き彫りにする。法律・言語・教育の専門家による論考からは、日本手話が日本社会の一言語であること、そして、ろうの子どもたちには、第一言語としての日本手話と社会参加するための書記日本語のバイリンガル教育を保障するべきであることが、見えてくるだろう。
目次
はじめに : 「ろう者」と「手話」と「多文化共生」 佐々木倫子
第一部 日本手話話者の道のり
一章 日本手話を第一言語とするろう者の道のり 木村晴美
二章 ろう親をもつコーダの道のり・手話通訳者の道のり 宮澤典子
三章 ろう児をもつ親たちの道のり 玉田さとみ
四章 言語権をめぐる道のり 小嶋勇
第二部 自然言語としての日本手話
五章 脳が示す自然言語としての日本手話 酒井邦嘉
六章 文法が示す自然言語としての日本手話 赤堀仁美・岡典栄・松岡和美
七章 世界における自然言語としての手話 森壮也
第三部 「多文化共生」を標榜する社会を変えるために
八章 ろう教育のこれから 榧陽子
九章 ろうコミュニティのこれから 田門浩
十章 言語教育政策のこれから 古石篤子
第四部 座談会 : ろう者の歩んできた道のりと今後
ろう者の文化・言語の位置づけ : ろう者の文化・言語はどのように位置づけられてきたか 今後、どのようにあるべきか
久松三二(全日本ろうあ連盟事務局長)/川島清(Dプロ代表)/末森明夫(日本手話学会副会長)/田中慎也(日本言語政策学会会長)/佐々木倫子(桜美林大学言語教育研究所長―司会)
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