シリーズ | シリーズ 多文化・多言語主義の現在 1 |
書名 | 人間成長を阻害しないことに焦点化する教育学 いま必要な共生教育とは |
編著者 | 髙橋舞 著 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | 978-4-904595-00-8 |
発行日 | 2009年2月27日刊行 |
その他 | 四六判 上製 356頁 |
紹介文
2008年6月8日、東京・秋葉原の路上で、25歳の男が通行人や駆けつけた警察官ら17人を次々に殺傷した。いま、日本社会が抱える「関係性の危機」という問題が、さまざまな形で露出している。教育学は、このような状況にいかに対峙すべきか。本書は、井上達夫、ジルーら内外の議論を批判的に検証し、花崎皋平、岡真理らの思想を援用しつつ、豊かな「関係性社会」を切り拓く真の共生教育の構築をめざしている。個人のエンパワーメントを目的とした「被害者教育」から、自らの加害性を自覚し、他者を植民地化する暴力を抑制する「加害者教育」へ。秋葉原事件の当日に第一子を出産した、気鋭の教育学者が挑むポストコロニアル教育論。
目次
はじめに
第一部 「被害者教育」の観点から「加害者教育」の観点へ
序章 「共生」教育はなぜ近代教育観を乗り越えなければならないか
一章 共生教育の課題
1節 20世紀アメリカにおける「関係性」の教育学研究動―デューイからジルーに至る一貫性
2節 国内における「共生」の教育学研究動向―「被害者教育」の観点から「加害者教育」の観点へ
第二部 共生教育理論
一章 「差異」概念の見直し
1節 「まなざし」の暴力抑制―他者に対する「差異」観の変更
2節 他者への「応答」を可能にする自己―自己に対する「差異」観の在り方
二章 共生教育理論
1節 他者と「出会う」地平―共生の作法
2節 加害者としてのホスピタリティ―共生のエートス
第三部 共生教育理論
終章 人間成長を阻害しないことに焦点化する教育学―根幹としての共生教育
おわりに