シリーズ | 日本語教育学の新潮流 32 |
書名 | 現代日本語における句読点の研究 研究概観と使用傾向の定量的分析 |
編著者 | 岩崎拓也 著 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | 978-4-86676-062-9 |
発行日 | 2023年2月28日刊行 |
その他 | A5判 上製 208頁 |
紹介文
本書は、「日本語使用者」の句読点の使用実態を定量的に分析したものである。日本語母語話者と日本語学習者の使用傾向を比較・分析しており、どちらか一方のみを対象としてきた従来の研究とは一線を画す。その分析結果と提言は、理論的・体系的な指導が行われてきたとは言いがたい国語教育や日本語教育における句読点指導に変革をもたらしうる。また、日本語学、国語教育、日本語教育における句読点の研究について網羅的かつ体系的にまとめており、後続の研究に欠かせないものとなるであろう。
目次
第1章 序論
1 研究背景
2 本書における研究課題
3 本書の構成
4 本書における用語の認定
第2章 日本語における句読法研究の変遷
1 第2章の目的
2 日本語における句読法
3 1960年以前の句読法研究
4 1960年代の句読法研究
5 1970年代の句読法研究
6 1980年代の句読法研究
7 1990年代の句読法研究
8 2000年代の句読法研究
9 2010年代の句読法研究
10 共起ネットワークを用いた句読法研究の変遷
11 第2章のまとめ
第3章 日本語学習者の従属節における読点使用の特徴
1 第3章の目的
2 第3章の分析対象と分析方法
3 助詞(下位分類)直後の読点の有無
4 各従属節レベルにおける読点の有無
4.1 分析の手続き――南モデルとの関わり
4.2 日本語母語話者の複文における読点の分析結果
4.3 中国人学習者の複文における読点の分析結果
4.4 韓国人学習者の複文における読点の分析結果
4.5 て形と連用中止における読点の分析結果
4.6 D類(引用節)とともに使われる読点
4.7 読点による句点の代用 5 第3章のまとめ
第4章 日本語学習者の係り受け関係から見た読点使用の特徴
1 第4章の目的
2 第4章の分析対象と分析方法
3 第4章の分析結果
3.1 係助詞の係り受け解析の結果
3.2 格助詞の係り受け解析の結果
4 第4章のまとめ
第5章 習熟度別に見た中国人学習者の句読点使用の分析
1 第5章の目的
2 日本語と中国語の句読点にかんする先行研究
3 第5章の分析対象と分析方法
4 第5章の分析結果
4.1 形態素と句読点の量の習熟度別変化
4.2 どの品詞の直後に読点が打たれやすいのか
4.3 どの助詞の直後に読点が打たれやすいのか
4.4 調査時期別による接続助詞直後の読点の打たれやすさ
4.5 どの接続詞の直後に読点が打たれやすいのか
4.6 調査時期別による接続詞直後の読点の打たれやすさ
5 考察――接続助詞と接続詞の直後の読点の有無について
6 第5章のまとめ
第6章 日本語母語話者における接続詞直後の読点使用の傾向
1 第6章の目的
2 接続詞直後の読点にかんする先行研究
3 第6章の分析対象
3.1 分析対象と指標の抽出
3.2 接続詞の連接類型
3.3 接続詞の語彙素
3.4 接続詞の語種と接続詞の文字数
3.5 接続詞の文字種とその後の文字種
3.6 接続詞が文頭にあるか否か、接続詞直後の文の長さ(文字数)
3.7 レジスター情報
4 第6章の分析方法と分析結果
4.1 予測モデルの構築方法
4.2 Elastic Net による分析結果
5 接続詞の直後に読点が打たれやすい要因について
5.1 接続詞が文頭にあるとき
5.2 レジスター「OW(白書)」
5.3 文字種「ひらがな&改行」
5.4 直後に読点が打たれやすい接続詞
6 接続詞の直後に読点が打たれにくい要因について
6.1 文字種「ひらがな&カタカナ」と「ひらがな&記号」
6.2 語種「和語」
6.3 直後に読点が打たれにくい接続詞
7 第6章のまとめ
第7章 日本語母語話者の句点と括弧の使用実態
1 第7章の目的
2 句点と括弧にかかわる先行研究
3 第7章の分析対象と分析方法
4 括弧と句点の組み合わせにかんする分析結果
4.1 レジスター別に見た句点とパーレンの頻度と割合
4.2 レジスター別に見た句点とかぎ括弧の頻度と割合
4.3 本文末の句点の有無との関係
4.4 パーレン内の文数(句点数)について
4.5 教科書の教科別の傾向と異なり
5 第7章のまとめ
第8章 結論
1 本書のまとめ
2 本書の意義
3 残された課題
謝辞
本書のもとになった論文・発表
参考文献
索引
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