シリーズ | 日本語教育学の新潮流 9 |
書名 | 文脈をえがく : 運用力につながる文法記述の理念と方法 |
編著者 | 太田陽子 著 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | 978-4-904595-47-3 |
発行日 | 2014年4月15日刊行 |
その他 | A5判 上製 360頁 |
紹介文
本書は、近年、注目を浴び、盛んに議論されている「日本語教育文法」についての検証を行い、コミュニケーション能力育成に資する文法記述のあり方を探るものである。モダリティ表現の「ハズダ」を例に、これまでの文法説明や文型指導に欠けていた「文脈」という観点の重要性を示し、教育に役立つ文法記述の方法を提案する。
目次
序 研究の出発点と目的
第1章 日本語教育における文法意識の変遷
1.1 教育のための文法の成立と発展 : 1970年代~80年代前半の文法観とその後の展開
1.2 コミュニカティブ・アプローチと文法–1980年代半ばから90年代における文法観の転換
1.3 教育文法と日本語学的文法の関係をめぐって :『コミュニケーションのための日本語教育文法』による問題提起
1.4 日本語教育のための文法に関する現在の様々な展開
1.5 第1章のまとめと問題提起
第2章 「教科書」から考える:従来の文法記述と現行教材
2.1 ハズダに関する先行研究
2.2 教材に見られる傾向と問題点
2.3 ハズダの文型提示上の留意点
2.4 現行教材の分析から見えたこと
第3章 「学習者」から考える:学習者の文法理解から観察される文法記述の問題点
3.1 調査の概要
3.2 会話作成タスクから観察される問題点
3.3 文章作成タスクから観察される問題点
3.4 調査を通じて見えたこと
第4章 「教師」から考える : 文型の「意味」と誤用訂正 : 教師の文型訂正行為から見られる問題点
4.1 調査の概要
4.2 教師による説明のタイプと問題点
4.3 不自然さの真の原因
第5章 運用力につながる文法記述のための分析方法
5.1 教育/学習のための文法記述に必要な視点
5.2 文脈とは何か
5.3 ハズダについての先行研究と本書の立場
5.4 運用のための文法記述の方針 : ハズダの場合
第6章 運用力につながる文法記述のための基礎研究 : ケーススタディ「ハズダ」の分析
6.1 ハズダの文脈化
6.2 ハズ(ダ)を用いた表現のバリエーション
6.3 類義表現との使い分けについて
第7章 文脈を重視した文法記述試論
7.1 ハズダの文法解説試案
7.2 文脈を用いた文法記述の方法と問題点
結び 「教育文法」とは何か
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