日本語教育学の新潮流

「日本語を話す私」と自分らしさ : 韓国人留学生のライフストーリー


シリーズ日本語教育学の新潮流 16
書名「日本語を話す私」と自分らしさ
韓国人留学生のライフストーリー
編著者中山亜紀子 著
定価3,960円(税込)
ISBN978-4-904595-86-2
発行日2016年11月30日刊行
その他B5判 並製 246頁

紹介文

本書は、韓国人留学生のライフストーリーを考察したものである。感情、情動、葛藤を伴った第二言語習得/使用の体験を丁寧に描き出した上で、「自分らしさ」という視点から言語習得という営みを考えていく。筆者自身のライフストーリーから始まる本書の研究に対する真摯さは、他に類を見ないものであり、日本語教育におけるライフストーリー研究の一つの基点となるだろう。

目次

第1章 私の物語
第2章 「第二言語を話す私」へのアプローチ : 第二言語で生きることをテーマにした小説から考える
 2.1 第二言語で生きる体験
 2.2 体験を形作る社会・経済的政治学
 2.3 日本語を話す自分に対する感情
第3章 SLA研究の中での本研究の位置づけ
 3.1 ポスト構造主義、社会構成主義の影響を受けたSLA研究
 3.2 Nortonの功績
 3.3 状況的学習論
 3.4 本研究のねらい
第4章 ストーリーとして理解する意味―ミメーシスという視点から
 4.1 なぜストーリーの形にするのか―理解という方法
 4.2 その人の現在を語る物語的アイデンティティ
 4.3 物語的アイデンティティにおける他者の役割
第5章 ストーリーを聞く―調査概要
 5.1 フィールドに入ってから研究協力者が確定するまで
  5.1.1 リサーチクエスチョン
  5.1.2 研究協力者の確定
 5.2 フィールド
  5.2.1 日韓プログラム
  5.2.2 虹野大学
 5.3 インタビュー
 5.4 データ分析
 5.5 研究協力者と私の関係
第6章 5人のストーリーと自分らしさ
 6.1 自分らしく学ぶ
  6.1.1 W君のストーリー
  6.1.2 JIN君のストーリー
  6.1.3 日本人ネットワークの中での彼ら
  6.1.4 ストーリーの中に見える彼ららしさ
  6.1.5 彼らの挫折
 6.2 自分らしく遊ぶ
  6.2.1 朴さんのストーリー
  6.2.2 イ君のストーリー
  6.2.3 友だちのネットワークの中での朴さんとイ君
  6.2.4 朴さんとイ君にとっての「成功」 : 彼らが将来属したいコミュニティ
  6.2.5 朴さんとイ君にとっての日本語ネットワーク
 6.3 新たに生まれる自分らしさ
  6.3.1 フン君のストーリー
  6.3.2 互恵的ということ
  6.3.3 A型のフン君とB型のフン君
 6.4 ストーリーの中の自分らしさと日本語を話す「私」
  6.4.1 日本語が上手になると感じさせる環境について
  6.4.2 日本語が上手になったネットワークの中で価値を持つ文化的資本
  6.4.3 ネットワークの中で更新されるアイデンティティ
  6.4.4 将来の交渉
第7章 日本語教育への示唆
 7.1 リサーチクエスチョンを振り返って
 7.2 日本語教育への示唆―「日本語を使う私」を育てる

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