日本語教育学の新潮流

第二言語習得における言語適性の役割


シリーズ日本語教育学の新潮流 4
書名第二言語習得における言語適性の役割
編著者向山陽子 著
定価3,960円(税込)
ISBN978-4-904595-32-9
発行日2013年2月25日刊行
その他A5判 上製 240頁

紹介文

近年、認知心理学の発展を背景に「言語適性」の再概念化が進んでいる。しかし、言語適性が第二言語習得に与える影響についての実証研究はいまだ数が少ない。本書はSkehanの主張に基づき、言語分析能力、音韻的短期記憶、ワーキングメモリの3つの適性要素が第二言語としての日本語学習に与える影響を縦断的に検討した結果をまとめたものである。適性要素、適性プロフィール(適性要素の組み合わせ)という2つの観点からデータを分析し、言語適性、学習段階、言語スキル(文法、聴解、読解、会話)の間に相互作用があることを実証した。

目次

第1章 問題の所在
1.1 問題意識
1.2 本研究の目的
1.3 用語の定義
1.4 言語適性に関する議論の前提
1.5 本書の構成

第2章 適性研究の過去と現在
2.1 適性研究への注目
2.2 適性研究の歴史
2.3 適性研究の新たな展開
2.4 適性と指導条件・学習成果の関連についての先行研究
2.5 先行研究のまとめと研究課題

第3章 研究方法
3.1 研究対象とした教育機関と学習者
3.2 適性と学習成果の測定

第4章 研究1 : 適性要素と学習成果の関連の縦断的検討
4.1 研究目的と研究課題
4.2 分析対象データと分析方法
4.3 結果 : 適性要素と学習成果の関連・適性要素の学習成果への貢献
4.4 考察1 : 適性要素と学習成果の関連の学習段階による変化
4.5 考察2 : 学習成果を予測する適性要素
4.6 研究1のまとめ

第5章 研究2 : 適性要素と会話能力の関連の縦断的検討
5.1 研究目的と研究課題
5.2 分析対象データと分析方法
5.3 結果 : 適性要素と会話能力の関連・適性要素の会話能力への貢献
5.4 考察1 : 適性要素と会話能力の関連の学習段階による変化
5.5 考察2 : 会話能力を予測する適性要素
5.6 研究2のまとめ

第6章 研究3 : 適性プロフィールと学習成果の関連の縦断的検討
6.1 研究目的
6.2 クラスタ分析による先行研究の問題点と研究課題
6.3 分析対象データと分析方法
6.4 結果:各クラスタの特徴と学習成果
6.5 考察:適性プロフィールと学習成果の関連
6.6 研究3のまとめ

第7章 研究4 : 適性プロフィールと会話能力の関連の縦断的検討
7.1 研究目的と研究課題
7.2 分析対象データと分析方法
7.3  結果:各クラスタの会話能力
7.4 考察:適性プロフィールによる会話能力の伸長の違い
7.5 研究4のまとめ

第8章 総合的考察
8.1 研究ごとの結果のまとめ
8.2 適性と学習環境の関連
8.3 適性要素と学習成果の関連
8.4 適性プロフィールによる学習成果の違い

第9章 終わりに : 第二言語教育への示唆と今後の課題
9.1 研究の総括
9.2 本研究の意義
9.3 第二言語教育への示唆
9.4 今後の課題

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