シリーズ | 日本語教育学の新潮流 33 |
書名 | 日本語のビジネス・コミュニケーションの研究 接触場面の「依頼」と「断り」の交渉術 |
編著者 | 喬曉筠 著 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | 978-4-86676-063-6 |
発行日 | 2023年2月28日刊行 |
その他 | A5判 上製 192頁 |
紹介文
本書は、日本語によるビジネス交渉場面において、どのように依頼と断りが行われているかを明らかにするものである。日本語母語話者と台湾人日本語学習者を対象に、日本語母語場面、接触場面、中国語母語場面においてロールプレイを実施して、データを収集。それを談話構造と表現形式の両側面から分析することで、両者の共通点と相違点を示す。ビジネスの接触場面で特に誤解が生じやすいといわれる依頼と断りに焦点を当てた本書の知見は、今後のビジネス日本語教育への大きな貢献となるだろう。
目次
第1章 はじめに
1.1 本研究の背景
1.1.1 台湾における日本語教育事情
1.1.2 依頼と断りの難しさ
1.2 用語の定義
1.2.1 「ビジネス・コミュニケーション」の定義
1.2.2 「ビジネス関係者」の定義
1.3 本研究の目的
1.4 本書の構成と各章の概要
第2章 先行研究と本研究の位置づけ
2.1 コミュニケーションに関する研究
2.1.1 日本語学習に着目したビジネス・コミュニケーション研究
2.1.2 コミュニケーション能力に関する研究
2.1.3 母語話者評価に関する研究
2.1.4 フォリナー・トークに関する研究
2.2 機能場面に関する研究
2.2.1 依頼に関する研究
2.2.2 断りに関する研究
2.3 本研究の位置づけ
第3章 研究方法
3.1 調査協力者
3.1.1 日本語母語話者の調査協力者
3.1.2 台湾人日本語学習者の調査協力者
3.2 場面設定
3.2.1 依頼側に与える情報
3.2.2 応対側に与える情報
3.3 役の決め方
3.4 データ収集
3.5 データ処理
3.5.1 文字化ルール
3.5.2 改行ルール
3.5.3 「談話」と「話段」の区切り方
3.5.4 形態素解析
第4章 日本語母語話者による第三者評価
4.1 分析方法
4.1.1 評価者
4.1.2 評価手続き
4.2 段階評価から
4.2.1 平均評定値
4.2.2 項目間の関連性
4.3 自由記述から
4.4 学習者に対する評価の総合的検討
4.5 第4章のまとめ
第5章 依頼側のコミュニケーションに見られる特徴
5.1 分析方法
5.1.1 分析の枠組み
5.1.2 取り上げる構成要素の限定
5.2 交渉のやりとりにおける依頼の特徴
5.2.1 交渉話段Ⅰにおける依頼の特徴
5.2.2 交渉話段Ⅱ以降における依頼の特徴
5.3 交渉のやりとりにおける補助部の特徴
5.3.1 事情を説明する
5.3.2 前置きをする
5.3.3 相手の負担を軽減するための表現を用いる
5.3.4 相手の説明を受け止める
5.4 第5章のまとめ
第6章 応対側のコミュニケーションに見られる特徴
6.1 分析方法
6.1.1 分析の枠組み
6.1.2 取り上げる構成要素の限定
6.2 交渉のやりとりにおける断りの特徴
6.2.1 事情を説明する
6.2.2 提案を行う
6.2.3 保留をする
6.3 交渉のやりとりにおける補助部の特徴
6.3.1 確認を行う
6.3.2 協調的な姿勢を示す
6.4 第6章のまとめ
第7章 敬意表現の使用に見られる特徴
7.1 分析方法
7.2 狭義の敬語の使用状況
7.2.1 「お/ご」
7.2.2 「いただく」
7.2.3 「いたす」
7.2.4 「申す」
7.2.5 「弊社」
7.3 間接表現の使用状況
7.3.1 「思う」
7.3.2 「ほう」
7.3.3 「なる」
7.4 第7章のまとめ
第8章 おわりに
8.1 まとめ
8.1.1 日本語母語話者(JNS)と台湾人日本語学習者(TLJ)の共通点
8.1.2 母語場面の特徴
8.1.3 接触場面の特徴
8.2 日本語教育への示唆
8.3 残された課題
本書のもとになった既発表論文
資料
参考文献
索引
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