日本語教育学の新潮流

接触場面における中国人日本語学習者のコミュニケーション・ストラテジー:自然習得環境下での使用実態及び変容


シリーズ日本語教育学の新潮流 28
書名接触場面における中国人日本語学習者の
コミュニケーション・ストラテジー
自然習得環境下での使用実態及び変容
編著者許挺傑 著
定価3,960円(税込)
ISBN978-4-86676-031-5
発行日2021年3月20日刊行
その他A5判 上製 220頁

紹介文

中国人日本語学習者は日本語母語話者との接触場面においてどのようなコミュニケーション・ストラテジー(CS: 発話ストラテジーと聞き返しストラテジー)を使用するのか。本書では初来日の中国人日本語学習者3名を対象に、来日直後から9か月間にわたって縦断調査を行い、その問いに迫る。滞日期間に伴うCS使用の変化や、日本語能力の高低とCS使用の関係に着目し、量的・質的の両側面から丁寧に分析。中国人日本語学習者のCS教育に資する一冊である。

目次

第1章 序章
1.1 時代背景と研究目的
1.2 各章の構成と概要


第2章 先行研究と本研究の位置づけ
2.1 CSと中間言語研究
2.2 CSとコミュニケーション能力
2.3 CS研究における2つのアプローチ
2.4 日本語教育におけるCS研究の概観
 2.4.1 接触場面における日本語学習者のCS 使用の実態調査
 2.4.2 中国語を母語とする学習者に焦点を当てた研究
2.5 CSの定義、および本研究の課題と位置づけ


第3章 本研究のデータと研究方法
3.1 調査協力者情報と談話資料
3.2 学習者の学習環境の特徴
3.3 研究方法
 3.3.1 分析の流れと会話文字化の方法


第4章 接触場面における日本語学習者の発話ストラテジーの使用
4.1 接触場面における日本語学習者の発話量の調査
4.2 発話ストラテジーの定義と分析の枠組み
4.3 学習者の発話ストラテジー使用に関する量的分析
 4.3.1 発話ストラテジー使用率の平均から見る全体的な使用傾向
 4.3.2 時間軸に沿った全体的な使用傾向
 4.3.3 時間軸に沿った自己解決型と共同解決型の使用傾向
 4.3.4 発話ストラテジー使用の相違点
 4.3.5 発話ストラテジー使用の共通点
4.4 学習者の発話ストラテジー使用の変化に関する質的分析
 4.4.1 NNS1 の「間接的アピール」に見られる使用の変化
4.5 第4章のまとめ


第5章 接触場面における日本語学習者の聞き返しストラテジーの使用
5.1 学習者の会話相手である日本人の発話量の調査
5.2 聞き返しの定義と分類
5.3 学習者の聞き返し使用に関する量的分析
 5.3.1 聞き返し使用率の平均から見る全体的な使用傾向
 5.3.2 時間軸に沿った全体的な使用傾向
 5.3.3 聞き返し使用の相違点と共通点
5.4 接触場面における日本語学習者の聞き返し連鎖についての考察
 5.4.1 聞き返し連鎖に関する先行研究と本研究の立場
 5.4.2 聞き返し連鎖に関する全体的な使用傾向
 5.4.3 学習者の聞き返し連鎖の特徴と使用の差異
 5.4.4 聞き返し連鎖の構造特徴に関する質的分析
5.5 聞き返しと聞き返し連鎖を含めた考察
 5.5.1 連鎖環境と非連鎖環境を含めた聞き返しの使用特徴
 5.5.2 聞き返しの使用に関わるCS 使用の制約と原則
5.6 学習者の聞き返し使用の変化に関する質的分析
 5.6.1 NNS2 の「感動詞型」聞き返し使用に見られる変化
 5.6.2 NNS3 の「聞き返し連鎖」の使用に見られる変化
5.7 第5章のまとめ


第6章 全体的考察
6.1 時間軸に沿ったCS使用の量的・質的変化
 6.1.1 時間軸に沿ったCS 使用の量的変化
 6.1.2 時間軸に沿ったCS 使用の質的変化
6.2 日本語能力の異なる日本語学習者のCS使用に見られる相違点と共通点
 6.2.1 日本語能力の異なる学習者のCS 使用に見られる相違点
 6.2.2 日本語能力の異なる学習者のCS 使用に見られる共通点
6.3 日本語教育への示唆
 6.3.1 CS 研究におけるCS 指導の議論に関する本研究の見解
 6.3.2 中国人日本語学習者の会話教育について
6.4 今後の課題

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